CodeTyphonインストール
CodeTyphon Studio のインストールと設定
【Windows 10】

【Ubuntu 18.04】

【CentOS 7】

事前に、「共通設定」ページを参照してください。
CodeTyphon Studio インストール後の詳細設定は「カスタマイズ例」を参照して下さい。
CodeTyphon Studio は Free Pascal を言語処理系とした、Lazarus とは別のディストリビューションです。
CodeTyphon Studio のWebサイトはこちらです ⇒
http://www.pilotlogic.com/sitejoom/
CodeTyphon Studio は インストールするだけで非常に多くのオープンソースコンポーネント群もインストールされます。
CodeTyphon Studio のインストールは、インストーラバッチを実行するだけで、簡単にインストールできます。CodeTyphon Studio は多くのプラットフォームで提供されています。
Windows 64bit版の CodeTyphon Studio は、CodeTyphon Center と、32bit版と64bit版の2つの Typhon IDE がインストールされます。
@ CodeTyphon Center
A Typhon IDE 32bit版
B Typhon IDE 64bit版
※ BはOSが64bit環境の場合のみインストールされます。
Linux 64bit版の CodeTyphon Studio は、CodeTyphon Center と、64bit版の Typhon IDE がインストールされます。
@ CodeTyphon Center
A Typhon IDE 64bit版
環境は、64bitOSでメモリは8GB以上を推奨します。32bitOSやメモリが十分でない場合、Typhon IDE へのコンポーネント群インストールが失敗します。
コンポーネント群インストールが失敗した場合、インストールコンポーネントを減らして設定を完了させることは可能です。
http://www.pilotlogic.com/sitejoom/ ページの下の方に各プラットフォームのアイコンがあり、目的のプラットフォームのアイコンをクリックすると、そのプラットフォームでの CodeTyphon Studio のインストール手順が表示されます。基本的には、そこを見るとインストール方法は分かります。
そこでの説明はすべて英語なので、Windows 10、Ubuntu、CentOS 向けの説明を以下に日本語で記載しました。合わせて参照してみてください。
この手順は32bit環境64bit環境とも共通です。
Windows と Linux も同じものをダウンロードします。
以下のURLを開いてダウンロードサイトを開きます。以下の例は Windows の IE ですが、ブラウザは任意のものを使用可能です。
Ubuntu や CentOS では、FireFox でかまいません。操作は使用するブラウザの操作に読みかえてください。
ダウンロードサイトのURL ⇒
http://www.pilotlogic.com/sitejoom/
以下のダウンロードサイトが開いたら、[Downloads] をクリックします。
[CodeThophon] をクリックします。
[Download] をクリックします。
[名前を付けて保存(A)] をクリックします。
「CodeTyphonIns.zip」 を任意の場所に保存します。
Linux では「~/ダウンロード」に保存します。
ダウンロードが完了したら、ダウンロードフォルダを開きます。
ダウンロードした「CodeTyphonIns.zip」を選択し、右クリックメニューで[すべて展開(T)...]を選択します。
この展開先も任意の場所でかまいませんが、ここでは「
C:\」として進めます。
Linux では、ダウンロードした場所「
~/ダウンロード」に展開します。
展開の完了を待ちます。
「C:\CodeTyphonIns」をエクスプローラで見ると、展開されたファイルを確認することができます。
Linux の場合、「~/ダウンロード/CodeTyphonIns」に展開されます。
展開した「
C:\CodeTyphonIns」フォルダ(Windows)や「
~/ダウンロード/CodeTyphonIns」フォルダ(Linux)がインストールセットになります。
Linux のインストールは端末でシェルスクリプトを起動して行います。
インストールは、通常のログインユーザでパスワードを問い合わせず sudo できるようにします。
「/etc/sudoers」を編集して「
ユーザ名 ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL」を追加します。「
ユーザ名」はインストールを実行するログインユーザ名です。
端末を開いてテキストエディタ nano を使用する場合、以下の様に起動します( nano 以外の任意のテキストエディタでもかまいません)。
【Ubuntuの場合】
admin_u@ubuntu01:~$ sudo nano /etc/sudoers
【Centosの場合】
[admin_u@centos01 ~]$ su
パスワード:
[root@centos01 admin_u]# nano /etc/sudoers
「/etc/sudoers」の末尾に「
ユーザ名 ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL」を追加します。
admin_u の部分は、自分のユーザ名に変えてください。
[^O](Ctrl-O)でファイルに書き込みます。ファイル名が表示されるので、そのまま[Enter]キーで書き込まれます。
[^X](Ctrl-X)で nano を終了します。
Centosは、root から exit し、ログインユーザに戻します。
[root@centos01 admin_u]# exit
exit
[admin_u@centos01 ~]$
CpdeTyphon Studio のインストール |
インストールは、展開したインストールセットの中でWindowsのバッチファイル「install.bat」やLinuxのシェルスクリプト「install.sh」で行います。
バイナリファイルの展開ではなく、Free Pascal, Thphon IDE, コンポーネント群がソーかファイルからビルドされます。
Windows ではスタートメニューから「
コマンド プロンプト」を
管理者権限で起動します。
Linux では、「
端末」を通常ユーザで起動します。
コマンドプロンプトが起動したら、カレントディレクトリを展開したインストールセットの場所に変更します。
Windows では、「
CD /D C:\CodeTyphonIns」を入力します。
Linux では、「
cd ~/ダウンロード/CodeTyphonIns」を入力します。
「
DIR」コマンドでファイル一覧を表示すると、「install.bat」の存在を確認できます。
Linux では、「
ls -l」で表示します。
「
install.bat」を実行します。
Linux では、「
./install.sh」を実行します。
CodeTyphon Studio のインストールメニューが表示されます。
「
0」を入力して CodeTyphon Studio のインストールを選択します。
セットアップのためのファイルが展開されます。
CodeTyphon Studio のセットアップメニューが表示されます。
「
0」を入力してシステムライブラリのインストールを選択します。
Windows の場合、DirectX のインストールが起動します。
Linux の場合、必要なライブラリがインストールされるので、端末に再度セットアップメニューが表示されるまで待ちます。
DirectX のセットアップが起動したら、[同意します]を選択し、[次へ(N)>]ボタンをクリックします。
[Bing バーをインストールする]のチェックを外し、[次へ(N)>]ボタンをクリックします。
[次へ(N)>]ボタンをクリックします。
インストールの完了を待ちます。
[完了]ボタンをクリックします。
再び CodeTyphon Studio のセットアップメニューが表示されます。
今度は「
8」を入力してFreePascal や Typhon IDE をビルドします。ライブラリやコンポーネントも含まれます。
ビルドが完了するのを待ちます。この処理は時間が掛かります。
ビルドが完了すると、また CodeTyphon Studio のセットアップメニューが表示されます。
「
9」を入力してセットアップを終了します。
Windows ではデスクトップ上に、3つのアイコンが作成されます。
@ CodeTyphon64 - CodeTyphon Center
A Typhon32 - Typhon IDE 32bit版
B Typhon64 - Typhon IDE 64bit版
Ubuntu ではすべての[アプリケーション]上に、2つのアイコンが作成されます。
@ CodeTyphon - CodeTyphon Center
A Typhon64 - Typhon IDE 64bit版
CentOS では[アプリケーション]-[プログラミング]上に、2つのアイコンが作成されます。
@ CodeTyphon - CodeTyphon Center
A Typhon64 - Typhon IDE 64bit版
特に必要ありません。
Typhon IDE を起動すると、コンパイラのPATHなどはIDEの中で管理されます。
CodeTyphon Center は、CodeTyphon Studio の環境をコントロールするツールです。Lazarus には無い機能です。
デスクトップの「CodeTyphon64」アイコンをダブルクリックします。
32bitOSの場合は「CodeTyphon32」アイコンになります。
Linux の場合は「CodeTyphon」アイコンになります。
起動すると以下の様に表示されます。通常は特に起動する必要はありません。
デスクトップの「Typhon32」または「Typhon64」をダブルクリックします。Linuxの場合はクリックになります。
どちらも Typhon IDE で 32bit アプリか 63bit アブリかの違いです。それぞれ独立しているので、設定は両方必要です。
Typhon IDE が起動します。
既定の設定では、メニューなどの表示は英語表示になっています。
Typhon IDE のウインドウレイアウトと日本語表示 |
Typhon IDE を起動し「コードエクスプローラ」ウインドウと「プロジェクトインスペクタ」ウインドウを追加します。
「コードエクスプローラー」ウインドウは、メニューの[View]-[Code Explorer]で表示します。
「プロジェクトインスペクタ」ウインドウは、メニューの[Project]-[Project Inspector...]で表示します。
マウスで確ウインドウのレイアウトを以下の様に整えると Lazarus とほぼ同じイメージになります。
次に日本語表示にします。
メニューの[Tools]-[Options...]を選択すると、「IDE Options」が開きます。
左の項目で[General]を選択し、[Language]のプルダウンから「Japanese [ja]」を選択して[OK]ボタンをクリックします。
メニューの[File]-[Restart]で Typhon IDE を再度起動します。
再起動するとメニュー表示などが日本語に変わります。
Typhon IDE のMDIレイアウト(ウインドウのドッキング) |
Typhon IDE は標準で各ウインドウのドッキングができます。
メニューのあるメインウインドウ以外は、ドッキング操作用の黄色いヘッダがあります。
「ソースエディタ」ウインドウの黄色いヘッダをドラッグして動かすと、幽体離脱のように水色のウインドウが現れます。
水色のウインドウをドッキングしたい場所に動かすと、ドッキングしたイメージに変形します。
ここでは「メイン」ウインドウにドッキングさせます。
ドロップすると「ソースエディタ」ウインドウは「メイン」ウインドウにドッキングします。
他のウインドウも同様に黄色いヘッダのドラッグ&ドロップでドッキングさせることができます。対象のウインドウが見えないときは[ウインドウ(W)]メニューから選択して前面に持ってきます。
各ウインドウを同様にドッキングさせます。
ドッキング操作で「ソースエディタ」の「Designer」タブが消えてフォームが見えなくなりましたので、Typhon IDE を再起動します。
メニューの[ファイル(F)]-[再起動]で Typhon IDE を再起動します。
[Designer]の表示が復活しました。
コンポーネントウインドウも表示してドッキングさせます。
メニューの[表示(V)]-[コンポーネント(C)]で「コンポーネント」ウインドウが表示されます。
「コンポーネント」ウインドウを同様にドッキングさせます。
ドッキングしましたが、「メッセージ」ウインドウの右側まで伸ばすことができません。
そこで、「メッセージ」ウインドウをドラッグして「コンポーネント」ウインドウの左側になるようにします。
これで目的の構成ができました。
また、[Designer]が消えているので、Typhon IDE を再起動します。
[Designer]の表示も復活しました。
ドッキングの操作は落ち着いたので、ドッキング用の黄色いヘッダを消します。
メニューの[ツール(T)]-[オプション...]で
左の項目で[Docking / GlassDocking]を選択し、[Show Headers]のチェックを外して[OK]ボタンをクリックします。
再度表示させたいときにはチェックをOnにします。
ドッキング用のヘッダは消えました。
あとは、ウインドウ全体のサイズを調整したり、境界線の位置を調整してレウアウトを調整します。
これで完成です。
これらはあくまでも設定例です。ドッキングするしないも含め、自分の好みで設定してください。
Typhon の Hello, world.
操作は Lazarus と同じですが、プロジェクトファイルなどソースファイル以外のファイルの互換はありません。
Typhon IDE の Hollo, world. |
Typhon IDE を起動すると上のように、GUIアプリケーションひな形が表示されます。
このひな形プロジェクトに名前を付けてプロジェクト用のディレクトリに保存します。
「C:\PG\Typhon」に「HelloWin」というサブディレクトリを作成し、その中にプロジェクトを保存します。
Linux の場合は、ユーザのホームフォルダ[~]に「HelloWin」というサブディレクトリを作成し、その中にプロジェクトを保存します。
Typhon IDEのメニューから[プロジェクト(P)]-[名前を付けてプロジェクト保存 ...]を選択します。
「project1.ctpr」を「HelloWorld.ctpr」と名前を変えてして「C:\PG\Typhon\HelloWorld」へ保存します。
Linux の場合は「~/HelloWorls」 へ保存します。
Lazarus のプロジェクトファイルの拡張子は .lpi ですが、Typhon IDE では .ctpr となります。
「Unit1.pas」はそのまま C:\PG\Typhon\HelloWorld へ保存します。
Linux の場合は「~/HelloWorls」 へ保存します。
これで、プロジェクト HelloWorld ができました。
コンポーネントパレットの[Standard]タブから、ボタンとラベルをフォームに配置します。
配置は、コンポーネントをクリックして選択し、フォームの配置したい場所で再度クリックします。ドラッグではありません。
配置されたコンポーネントの移動は、クリックで選択してドラッグすると移動します。Deleteキーでフォーム上から削除することもできます。
フォーム上の「Button1」をダブルクリックすると、Button1のクリックイベントの手続き(メソッド)が自動的に作成されます。
procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
begin
end;
begin と end の間に処理を書きます。
【Windows の場合】
Windows では、Typhon IDE のソースエディタで日本語の入力が可能なので、以下の通り記述して【プロジェクトの実行】まで進みます。
procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
begin
Label1.Caption := '世界よ、こんにちは。';
end;
【Linux の場合】
Linux の場合、Typhon IDE のソースエディタで日本語の入力ができません。
そのため、「世界よ、こんにちは。」の部分は、「Hello, world!」としておきます。
procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
begin
Label1.Caption := 'Hello, world!';
end;
Linux では、ソースエディタで日本語の入力はできませんが、表示は可能です。また、コンパイルやビルドも日本語に対応しています。
そのため、Typhon IDE はそのまま待機して、別途 gedit など日本語編集ができるテキストエディタで Unit1.pp を開いて、「Hello, worls!」の部分を「こんにちは、世界。」に書き換えます。
Unit1.pp を保存して gedit を終了します。
Unit1.pp が更新されたので Typhon IDE が再読み込みするかどうか確認のダイアログを表示します。
「Unit1.pp」を選択し、[チェックしたファイルをディスクから再読み込み]ボタンをクリックします。
Typhon IDE のソースエディタに編集した日本語が表示されます。
【プロジェクトの実行】
実行ボタンをクリックすると、HelloWorld をビルドし、実行してくれます。
[Button1]ボタンをクリックすると、Label1の位置に「世界よ、こんにちは。」と表示します。
終了は、右上の「×」をクリックします。
【Windows 版】
【Linux(Ubuntu) 版】
Unit1.pas は Free Pascal のユニットで、以下のようになります。これがForm1の処理のユニットになります。
unit Unit1;
{$mode objfpc}{$H+}
interface
uses
Classes, SysUtils, Forms, Controls, Graphics, Dialogs, StdCtrls;
type
{ TForm1 }
TForm1 = class(TForm)
Button1: TButton;
Label1: TLabel;
procedure Button1Click(Sender: TObject);
private
public
end;
var
Form1: TForm1;
implementation
{$R *.frm}
{ TForm1 }
procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
begin
Label1.Caption := '世界よ、こんにちは。';
end;
end.
メインプログラムは、HelloWorld.ppr です。メインプログラムがプロジェクトファイルでもあります。
HelloWorld.ppr も Pascal ですが、拡張子は .pas や .pp ではなく、規定では .ppr になります。ちなみに Delphi では .dpr になります。 Lazarus では .lpr になります。
program HelloWorld;
{$mode objfpc}{$H+}
uses
{$IFDEF UNIX}{$IFDEF UseCThreads}
cthreads,
{$ENDIF}{$ENDIF}
Interfaces, // this includes the adLCL widgetset
Forms, Unit1
{ you can add units after this };
{$R *.res}
begin
RequireDerivedFormResource:=True;
Application.Scaled:=True;
Application.Initialize;
Application.CreateForm(TForm1, Form1);
Application.Run;
end.
ここまでできれば、CodeTyphon の環境は完了です。
うまくいかなかった場合は、「共通設定」ページと本ページを再度見直してください。